アイ・ワークnews vol.31
#アイ・ワークNews


「アイ・ワークnews」のVol.31が完成しましたのでご案内いたします。
今号は
・「鰯の記憶」
・「素材選び力からプロンプト力へ」
上記のラインナップとなっております。
11月に入り、京都も一気に秋の深まりを感じる季節となりました。
紅葉シーズンで街も賑わいを見せていますが、弊社も年末進行で慌ただしい日々を過ごしております。
皆様におかれましても何かとご多忙の時期かと思いますが、
体調にはくれぐれもお気をつけください。
以上、お忙しいところ大変恐縮ですが、お時間ある際にぜひご一読ください。
よろしくお願いいたします。
鰯の記憶
暑かった夏も過ぎて、すっかり寒くなってまいりました。おでんが恋しい季節の到来です。
私の出身地、静岡県では、濃いめの味付けのおでんに「だし粉」をかけて食べます。子供の頃から、おでんとはそういうものだと思って大人になったのですが、県外に出てみるとB級グルメが流行っていた頃でもあり、「しぞーかおでん」という固有名詞がついていることを知りました。他の地域では「だし粉」をかけないのですね。
「だし粉」をかけるものといえば、富士宮焼きそば。出身地の隣町の焼きそばですが、「富士宮焼きそば」以外の焼きそばを食べずに大人になり、県外で(すみません)普通の「焼きそば」を食べて、富士宮焼きそばと焼きそばとは別の食べ物だと思い知りました。
B級グルメブームで話題になったので、ご存知の方も多いかと思いますが、とにかく麺のコシが強い。太い輪ゴムのような食感と見た目。(輪ゴムは食べたことないですが)肉かす(ラードを絞ったあとの豚脂)を入れて炒めた麺に、だし粉をたっぷりかけて「もそもそっ」と食べます。独特のコシの強い麺は、地元のスーパーか通販でしか手に入らないので、帰省の際に必ずまとめ買いしています。(カップ焼きそばペヤングも大好きです!が、関西ではあまりお目にかかれてないです。)
静岡県外でお目にかかったことのないものといえば、「黒はんぺん」。イワシのすり身を半円状に伸ばした薄い練り物で、炙ると、香ばしい香り。カリッとした外身に、モチッとした中身が美味しいです。地元のスーパーでは必ずあったので、これも全国区と思っていたのですが、県外に出てからは見ることがなく、実家に帰った際のご馳走に。(安あがりで済む人)。値段は百円程度の庶民的な食べ物ですが、なぜか忘れられない。こちらも、帰省の際にまとめ買いする品です。
こうして帰省の帰り道は、焼きそば、肉かす、だし粉、黒はんぺん、夜のお菓子うなぎパイ、こっこなど、行く時よりも大荷物になって、ヘトヘトになって帰るのです。(B級グルメだらけです)
以前は考えなかったのですが、私の何割くらいが、こういったイワシ関連の思い出でできているのでしょう?幼い頃に食べたものは、身体の栄養にもなっていますが、大人になってから自分を思い出す糧になっています。
絶賛中二病の息子は、野菜を食べない超偏食少年ですが、大人になって何を思い出すでしょう?
トースターで炙った「黒はんぺん」を無性に食べたい今日この頃。皆様の思い出のご当地グルメのお話も、ぜひお聞かせください。
素材選び力からプロンプト力へ
デザイナーにとって「素材」はデザイン制作上なくてはならない重要なものです。主に写真やイラストを指すことが多く、パンフレットやチラシ、ポスター、Webサイトなど様々な媒体で使われています。
デザイン制作をスタートして「よし、いい素材を探すぞー!」とはなりません。まずはコンセプト・デザインの方向性を固めていきます(ここでは大まかな制作フローです)。そして次に、コンセプトに沿ってどんな素材が適しているかを考えながら探していきます。最初はできるだけ多く選びます。少し気になる程度の素材でも、一旦ストックしておいて、次の段階で5、6点程度に絞り込み、実際にデータ上で試しつつデザインを仕上げていきます。
さて、ここからが本題です。
みなさんは仕事で生成AIを活用していますか?テキスト生成・動画生成・音声生成などがありますが、企画書や資料作り、コーディング等々、さまざまな業種でどのように活用されているのか気になっています。私は、生成AIで写真やイラストの作成を試しています(と言っても、まだまだお遊び程度で、仕事には活かされていないのが現状です…)。Adobeのillustraterやfirefly、ChatGPTなど、共通して言えるのは「思い通りの結果にならない」「外国風なテイストになる」「クオリティが微妙」ということです。それでも少しずつ試してみてわかってきたことが「プロンプト(指示)※の仕方」です。例えば大学生のイラストを生成したい場合、「大学生 男女キャンパス」といった抽象的なワードよりも、「日本人の男女大学生がキャンパスで楽しそうに会話をしている」といった具体的な文章で指示した方がイメージに近い結果になる気がします(ただ、日本人っぽさがうまく表現されません…WHY?)。気になって色々調べるうちに、色の指定やタッチ、さらには段階的アプローチ(最初から完璧を求めず、少しずつ指示をしながら調整していく方法)などもあるようです。他にも「ネガティブプロンプトの活用」という方法もあり、避けたい表現を指示するというもので、これは奥が深そうだ…。
近い将来、チラシやポスターなどのデザイン制作も、色やフォント、レイアウト、さらにコンセプトなども細かくプロンプトして仕上げることが主流になるのかもしれませんね。現時点では生成したデザインをそのまま使用するのにはまだハードルが高いように感じていますが、ベースとして活用することでデザイン作業の効率化に繋がればいいなぁ。
今後、生成AIに頼らず自力のみでいくのか、AIと協働するのか、選ぶ道によってデザイナーの運命が変わるかもしれないなぁと思う今日この頃です。
※「プロンプト力」とは、生成AIを効率的かつ効果的に使いこなすための総合的な能力